膝の痛み

膝は体重を支える大事な関節です。
そのため膝に痛みを抱えていると、歩行や立ち上がり、階段の昇降など日常動作の大きな支障となってしまいます。
適切な対処や予防が行えるよう、まずは膝に痛みが生じる原因を知っておきましょう。

 

【変形性膝関節症】

変形性膝関節症とは、関節面を覆っている軟骨がすり減り、膝の痛みや動かしにくさなどを生じた状態のことです。
膝の軟骨には、関節の動きを滑らかにしたり衝撃を緩和したりする役割があります。

変形性膝関節症は、おもに加齢の影響が考えられています。
年齢を重ねるごとに軟骨の水分量や弾力性が低下し、摩耗しやすくなるためです。

またその他にも「体重の増加」「太ももの筋力・柔軟性の低下」「過度な負担」なども軟骨をすり減らす要因に考えられています。

男性と比較して関節を支える筋力が弱いため、中高年の女性に変形性膝関節症が多い傾向にあります。

 

【関節リウマチ】

リウマチとは、関節に痛みや腫れをともなう病気になります。
手や足の指など小さな関節に起こるケースが多いですが、膝や股関節など大きな関節にも炎症を起こす場合があります。

免疫の異常とされていますが、明確な原因は分かっていません。
リウマチは、中年の女性に多いと言われています。

 

【外傷】

●半月板損傷

半月板とは、大腿骨（太ももの骨）と脛骨（すねの骨）の間にある、軟骨組織のことです。
地面からの衝撃を緩和したり、関節の安定感を高めたりする役割をおもに担っています。

この半月板が、スポーツ中の強い負荷によって損傷すると、膝の痛みや動かしにくさに繋がる場合があります。
特に荷重を掛けた状態でひねりの外力が加わると、半月板は損傷しやすくなっています。
また、加齢の影響から半月板の強度が低下して、強い外力を受けなくても損傷する方がいます。

 

●膝関節靭帯損傷

膝を強くひねり、靭帯を損傷してしまう場合があります。
膝には横の動きを支える「内側・外側側副靱帯」と、前後の動きを支える「前十字・後十字靭帯」の4本の靱帯があります。

膝に痛みがある場合、原因ごとに次のような対処や予防を行っていきましょう。

 

【変形性膝関節症の場合】

●安静、冷却（炎症が強い時期）

痛みや腫れ、熱感などが強く出ている際は、無理に動かさないようにしてください。
氷水の入った袋を当てたり、シップを貼ったりすることで炎症の軽減を図れます。

 

●ウォーキング、ストレッチ

痛みやこわばりなどがある場合も、できる範囲では歩くようにしてください。
安静にしすぎると、膝まわりの筋力を低下させてしまいます。
また、股関節や太もも前側を重点的にストレッチして、筋肉の柔軟性も高めておきましょう。

 

●トレーニング

太ももまわりの筋肉を鍛えることで、軟骨にかかる負担を軽減できます。
スクワットをはじめ、タオルをつぶすトレーニングがおすすめです。

膝を伸ばした状態で床に座り、膝の下に丸めたタオルを置きます。
つま先は天井に向け、かかとは床につけたまま膝を伸ばし、タオルを押しつぶします。
両足バランスよく10回3セットが目安です。

 

【関節リウマチの場合】

リウマチは自己免疫疾患という病気のため、医療機関に行って適切な処置を受けてください。
自己免疫疾患とは自分自身に免疫機構が働いてしまい引き起こされる病気のことを言います。
薬によって炎症を抑えつつ、関節がこわばらないように体操やストレッチを行います。

炎症が悪化すると、関節が破壊されてしまう場合があります。
そのため、リウマチが疑われる際には、早めに医療機関に行くようにしましょう。

 

【半月板損傷・靭帯損傷の場合】

●RICE処置、医療機関に行く（急性期）

外傷への応急処置には「Rest（安静）」「Icing（冷却）」「Compression（圧迫）」「Elevation（挙上）」の頭文字をとったRICE処置が有効とされています。
可能な範囲でRICE処置を行いましたら、早めに医療機関で検査を受けてください。
状態によっては、手術が必要な場合もあるためです。

 

●リハビリ

患部の状態をみながら、ストレッチや軽い体操、トレーニングなどリハビリを行います。
自己判断で行うと再負傷する可能性があるため、医療機関や接骨院・整骨院の方にみてもらいながら行ってください。

膝の痛みはスポーツをしている方や学生さん、長時間立位姿勢や屈伸動作の多いお仕事をされている方、ご年配の方など幅広い年齢層で見られる症状です。

そのため、関節の変形があるものやスポーツによるオーバーユース、太ももやふくらはぎまわりの肉離れなど原因も多岐にわたります。

そのためカウンセリングや検査をしっかり行い、重度の変形性関節症などは提携している専門病院へ紹介も含め施術を選択していきます。

当院での施術方法はハイボルト、骨格矯正、テーピング、カッピング、筋膜ストレッチ、ドレナージュ、経穴(ツボ)へのアプロ―チ、温熱療法などで症状の改善を行います。

 

【膝の痛みに対する施術方法】

■保険施術

骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)に対して接骨学に基づいた施術を行います。
カウンセリング・検査から始まり、患部への低周波療法、温冷罨法、固定、運動療法などが保険内施術となります。

 

■ハイボルト療法

高電圧の電気刺激を患部に浸透させ、疼痛の軽減や血行促進などを目的に行います。
「痛みの原因の見極め」「炎症の抑制」「痛みの緩和」が期待でき、急性期の痛みから慢性的な痛みの強い時期におすすめな施術です。

 

■経穴（ツボ）へのアプローチ

経穴を刺激し気血の流れを促進することで、症状を未病の段階で防ぐことに期待できます。
また、筋肉の緊張からなる「肩こり」などの慢性痛などの症状も経穴への刺激により血液循環を促進することで改善が見込めます。

 

■テーピング

貼り方を工夫して「ケガの予防」「パフォーマンス向上」「治療効果の持続」などの目的で行います。
ホワイトテープ、キネシオロジーテープ、スパイラルテープ、ティアライトテープ、エラスチックテープ、ストリンテックスなどのテーピングを症状、部位ごとに使い分けて使用していきます。

 

■CMC筋膜ストレッチ（リリース）

特殊な器具や手技により行う施術で、「血行促進→細胞の活性化→コラーゲンの形成」を促して組織の回復能力を高める施術です。
筋肉系のケガや痛み、関節の動きの悪さなどに対して施術することで痛みの緩和や可動域拡大に期待できます。

 

■温熱療法

岩盤マットやサーモフォア、超音波施術器を使い患部もしくは全身を温めます。
血流循環を促進し、痛み物質や老廃物の代謝や体外への排泄、冷え性の改善に期待できます。