脱臼

脱臼とは、関節を構成している骨が本来の位置から外れてしまうケガのことです。
多くは「肩関節」に発生する傾向にあります。

脱臼にも2つの種類があります。

 

【程度による分類】

●完全脱臼

関節が完全に外れ、関節面の接触がなくなった状態の脱臼です。

●亜脱臼

関節の位置外れていますが、関節面は一部接触している状態の脱臼です。

 

【脱臼の種類と原因】

●外傷性脱臼

関節に強い外力を受けることで発症する脱臼を指します。

・原因

-転倒時に腕を後方に強くつく
-腕を外側に上げた状態で、後方に強くひねる
-大きなあくびをする（顎関節脱臼）
-転倒して手を強くつく（肘関節の脱臼）

 

●病的脱臼

病気が原因となり軽微な外力で発生した脱臼のことです。

・原因

-股関節結核による「拡張性脱臼」
-麻痺にともなう「麻痺性脱臼」
-リウマチによる「破壊性脱臼」
など

 

【脱臼の固有症状】

痛みや腫れ、関節血腫、機能障害（関節を動かせない）などが、脱臼のおもな症状です。
その他、次のような脱臼特有の症状がみられる方もいます。

 

●弾発性固定

脱臼した位置で関節が動かなくなる状態です。
押して動かそうとしてもバネのような抵抗があり、力を緩めると再度元の脱臼した位置に戻ろうとします。

 

●変形

骨の位置がずれるため、関節頭が突出したり関節が折れ曲がったりと見た目の変形がみられます。

 

【反復性脱臼】

一度脱臼した方は、何度も関節が外れてしまう「反復性脱臼」になる可能性があります。
脱臼時に骨や軟骨、関節包といった周辺の組織を損傷することで、関節の不安定感が残りやすいためです。
痛みや腫れが引いた後でも、再発を防止するリハビリが重要になります。

脱臼が疑われる際には「RICE処置」を中心に素早い対処を行いましょう。
また再発を防ぐためには、普段からの予防も大事になります。

 

【RICE処置】

●Rest（安静）

状態の悪化を防ぐため、患部をなるべく動かさないようにします。

 

●Icing（冷却）

炎症を抑えるために、氷水の入った袋を患部にあてて冷やします。

 

●Compression（圧迫）

腫れが広がらないよう、包帯やバンテージ、タオルなどを巻いて患部を軽く圧迫します。

 

●Elevation（挙上）

患部を心臓よりも高い位置で保持して、腫れやむくみを防止します。

できうる対処を行いましたら、早急に医療機関や接骨院・整骨院に行って専門的な処置を受けてください。
周辺の組織を傷つける可能性があるため、自分では関節をはめないようにしましょう。

 

【脱臼の予防法（再発防止）】

●関節の固定

テーピングやサポーターによって関節の動きを制限しておくと、脱臼の予防が期待できます。
特に一度脱臼した方は不安定感が残りやすいため、スポーツや仕事の際には関節を固定しておくことをおすすめしています。

 

●脱臼しやすい姿勢をとらない

関節ごとに脱臼しやすい姿勢があります。
特に肩関節の場合は「腕を後ろについて立ち上がる」「腕を後ろにひねって横向きで寝る」「両腕を上にあげて腕枕にする」といった姿勢や動作は避けるようにしてください。

脱臼は他の外傷と比べても痛みも強く、症状も明らかです。
ただ脱臼はスポーツの現場だけでなく日常生活の中でも事故や転倒した際に発生する場合もあります。

脱臼は外傷の中でも組織の損傷が大きく早期にし適切な処置を行うことが重要でさらにはその後のケアやトレーニングを行わないと関節の不安定性が残り再発しやすくなってしまいます。

当院では脱臼が疑われる場合は徒手検査や超音波エコー装置により患部の関節の状態を確認いたします。
脱臼と判断できた場合には「整復」と「固定」を行います。

当院が提携している医療機関でレントゲン検査を受けていただく事で保険を使用した継続施療が可能ですので、ご相談ください。

その後の施術方法は特殊固定具、超音波治療器、ハイボルト、筋膜ストレッチ、運動指導を行い症状の改善を図ります。

 

【骨折に対する施術方法】

■保険施術

骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷(肉離れ)に対して接骨学に基づいた施術を行います。
カウンセリング・検査から始まり、患部への低周波療法、温冷罨法、固定、運動療法などが保険内施術となります。

 

■ハイボルト療法

高電圧の電気刺激を患部に浸透させ、疼痛の軽減や血行促進などを目的に行います。
「痛みの原因の見極め」「炎症の抑制」「痛みの緩和」が期待でき、急性期の痛みから慢性的な痛みの強い時期におすすめな施術です。

 

■特殊固定具

骨折や脱臼、重度の捻挫などテーピングや包帯のみでは固定が不十分な外傷にはプライトンやアルフェンスという「特殊固定具」を使用した固定を行います。
患者さんそれぞれの関節や損傷部位に合わせた成型を行い、オーダーメイドの固定具を作成するためフィット感があり強度の高い固定具ができあがります。

 

■CMC筋膜ストレッチ（リリース）

特殊な器具や手技により行う施術で、「血行促進→細胞の活性化→コラーゲンの形成」を促して組織の回復能力を高める施術です。
筋肉系のケガや痛み、関節の動きの悪さなどに対して施術することで痛みの緩和や可動域拡大に期待できます。